一般検査
主な検査項目のご紹介
検査の基本
検 体 検 査
昭和62年より、チケットプリンターを使用して、39項目の検査結果を30分以内に報告するという
システムを築きあげました。そして、平成9年12月より、外来患者様の採血を開始すると同時に、
ほとんどの機械をオンライン化し、バーコード対応のコンピューターシステム導入により、さらに
多くの検査項目を出来るだけ迅速かつ正確に外来患者様だけでなく、入院患者様、ドック、検診の
方々にも報告するようになりました。
また、“外来患者様をできるだけお待たせしないこと”をモットーに、採血カードを前もって患者様に
お渡しし、当日持参していただくシステムを取り入れ、診察前の採血し診察時には結果を報告できる
ように工夫しています。
外来患者様の採血業務に加え、入院患者様の採血も一部検査科で行なうことになりました。
病棟で入院患者様に接することによって、患者様への心配りが深まるだけでなく、私たち検査科の
働く意欲と自己成長にもつながる事と信じています。
検体の後ろには患者さまがいらっしゃることを常に忘れず、目配り、気配り・心配りを行なえるよう
心がけ,患者さまに信頼される検査科を目指してスタッフ一同、がんばっています。
自動分析装置
当院には2台設置されています。30項目以上の
生化学検査をすべて至急対応しています。
患者さまから採血された検体を遠心分離器にかけると、血液は赤い塊の部分と黄色く透き通った
液体部分に分かれます。この液体部分を血清と呼び、血清を分析して生化学検査を行ないます。
酵素
AST(GOT) ALT(GPT)、LDH、ALP、γーGTP 他
主に肝臓や胆嚢、の障害で上昇します。また、心筋梗塞の診断にも使われます。
血清蛋白 体には多種類のたんぱくが存在し、それぞれ違う働きをしています。
TP:総蛋白定量。蛋白の合成や使われ方に異常があるかどうかを調べます。
電気泳動法:5つの成分に分けて細かく分析します。
CRP(C-反応性蛋白):炎症マーカーとして頻用されています。
細菌感染症、膠原病、心筋梗塞j、悪性腫瘍、手術後などに上昇します。
脂質
TC(総コレステロール)、TG(中性脂肪)、HDL-C(HDLコレステロール) LDL-C(LDLコレステロール)
動脈硬化症と深い関係があり、生活習慣病(成人病)の指標となっています。
非蛋白窒素化合物
BUN(尿素窒素)、UA(尿酸)、Cr(クレアチニン):腎機能の指標。尿酸は痛風の原因となります。
アンモニア:肝硬変などで増加します。
電解質・無機質
Na,(ナトリウム)K(カリウム),Cl(クロル):細胞内液と細胞外液のバランスを保つ働きをします。
Fe(鉄):赤血球のなかにあるヘモグロビンを構成する元素で不足すると貧血になります。
Ca(カルシウム):骨の代謝と関連があります。高値でも低値でも様々な神経症状、消化器症状
などを来たします。
糖成分
血糖:糖尿病で高値となります。
食事量、食事時間、運動量等で大きく変動します。
HbA1c(ヘモグロビンA1c、グリコヘモグロビン):
過去1-2ヶ月の平均血糖値を反映します。
血液一般検査
血液は体の外に出ると凝固してしまいます。その為、血球計算装置や血液凝固検査、血沈を行なう場合は凝固を止める抗凝固剤の入った採血管で採取し検査を行ないます。
血球計数検査
赤血球:肺で体内に取り入れた酸素を体の隅々まで運びます。
出血、溶血、産生低下などで赤血球数が少なくなると貧血になります。
白血球:体内に入った細菌やウイルスと戦い体を守ります。喘息などのアレルギーやリウマチなどの
自己免疫病ではこれが自分自身に不利に働き、害を及ぼすことになります。
顆粒球、リンパ球、単球に分類され、それぞれの割合を調べます。
自動分析器で異常が出ると、血液標本を作製し、鏡検し技師の目で確かめています。
血小板:出血を止める働きをします。
血液凝固検査
血沈
炎症疾患のスクリーニング検査として古くから良く知られています。その他に貧血があると亢進し
逆に赤血球増多症で遅延します。
免疫血清検査
感染症や腫瘍マーカー、甲状腺機能の検査を行なっています。
肝炎ウイルス
HBs抗原・抗体、HCV抗体:ウイルス性肝炎に感染した事があるかどうかのチェックです。
現在治療が必要な状態かどうかは更に詳しい検査が必要です。
腫瘍マーカー
CEA、AFP、CA19-9、PSA:通常はほとんど検出されず、がん細胞などによって作られる物質です。
がんの種類によって様々なものが知られていますが、それらが検出されたからといって,必ずしも
がんが発生しているとは言えません。しかし、がんが確認された後では経過の目安となります。
甲状腺機能検査
FT3、FT3:甲状腺ホルモン。分泌が亢進するバセドウ病と低下する橋本病は代表的な甲状腺疾患です。
TSH:視床下部から出るホルモンで甲状腺が働くよう刺激します。
尿検査
尿検査は腎臓や膀胱の泌尿器系の病気や、糖尿病などの病状を把握する上で大切な検査です。
尿蛋白、尿糖、潜血反応、ケトン体などのスクリーニング検査のほか、尿中の成分をを遠心、沈殿させ、
顕微鏡で確認する検査も行ないます。
便潜血検査
便の中に血液(ヘモグロビン)が混じっていないか調べる検査です。大腸がんの早期発見のための補助
診断として健診でも使われています。人のヘモグロビンのみを検出する方法なので、食事制限や服用
薬物の中断を必要としません。
その他
穿刺液検査( 胸水、腹水、脊髄液)、妊娠反応 糸状様真菌(水虫菌)検査 等
以上、当院で行なっている主な検査を、おおまかにご紹介させていただきました。
右:血糖測定装置
左:HbA1c測定装置
PT(プロトロンビン時間)、APTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)、トロンボテスト:
血液の固まりやすさを調べます。固まりにくいと出血が止まりにくくなります。
全自動凝固・線溶測定装置
赤血球沈降速度測定装置
全自動化学発光酵素免疫測定システム
定性検査測定機器
検体をチェック中
実際に目で見て確かめることは
血液の病気では非常に
重要です。
外来の窓口です。
採血するときはいつも緊張してしまいます
受付を間違えたら大変!