75g糖負荷テスト

空腹時血糖値

126mg/dl

110mg/dl

2時間血糖値

200mg/dl

140mg/dl

糖尿病型

境界型 IFG

正常型

正常型:空腹時血糖110mg/dl以下で、2時間値140mg/dl以下のもの
糖尿病型:空腹時血糖126mg/dl以上もしくは2時間値200mg/dl以上のもの
境界型:上記以外
  IFG:Impaired Fasting Glucose 空腹時高血糖
  IGT:Impaired Glucose Tolerance 耐糖能異常

IGT

IFG+IGT

〒260−8656
千葉市中央区長洲2−21−8
TEL 043−227−8366
FAX 043−224−4868
糖 尿 病

境界型糖尿病

  糖尿病の一歩手前、糖尿病の“け”がある などと言われたことはありませんか?

境界型糖尿病の診断

境界型糖尿病は75g糖負荷テストを行なって診断されます。
糖尿病とは言えないが、かといって正常でもない場合、境界型と診断されます。

境界型糖尿病にはどんな意味があるのでしょう

  
  境界型糖尿病の中には二つのタイプがあります。
  空腹時血糖値が110〜125mg/dlにあるものをIFG(空腹時高血糖)、
  75gOGTT 2時間値が140-199mg/dlのものをIGT(耐糖能異常)と呼びます。


IGT
 IGTは食後高血糖を示します。
 このタイプの方たちは、糖尿病の代表的な合併症である、網膜症、腎症、神経障害
 などの細小血管障害を来たすことは少ないのですが、最近注目されている動脈硬化症を
 起こす危険は、正常型の方たちに比べ大きいことがわかっています。
 つまり、心筋梗塞や、脳梗塞の危険因子となるのです。
 IGTでは肥満、高血圧症、高中性脂肪血症を合併したいわゆるメタボリック症候群の病状を
 示すことが多く、このような場合さらに動脈硬化症の合併が増加します。

 内臓脂肪細胞から分泌される種々のサイトカインが、インスリン抵抗性をもたらし、耐糖能異常、高インスリン血症
 を招きます。さらに高インスリン状態は交感神経の働きを活発にさせると共に腎臓からのNa再吸収を更新させ
 高血圧を起こします。また、インスリンは血管壁の平滑筋を増殖させて、動脈硬化を誘発します。
 一方で脂肪組織から放出された大量の遊離脂肪酸は肝臓でのインスリン抵抗性を惹起し、また、中性脂肪の合成
 を高め高中性脂肪血症が起こります。また、善玉コレステロールの低下も招き動脈硬化症をさらに促進させます。



図1) IGTおよび糖尿病における心血管疾患発症の相対リスク
The Hisayama sturdy
          脳卒中、心筋梗塞の既往の無い2742例を5年間追跡調査       *P<0.05   
            糖尿病だけでなく、IGTでも心血管疾患の発症リスクが高い   **P<0.001(対正常)
     


図2) 血糖コントロール別に見た心筋梗塞発症率(1000人あたり)

Diabetes Intervention Study
            食後血糖のコントロールが不良な患者では、空腹時血糖が良好(80-100)でも
              心筋梗塞の発症率が約3倍になる
IFG
  この型は動脈硬化発症因子としての意義ははっきりしていません。
  しかし、糖尿病を発症しやすいグループであることはわかっています。


境界型と言われたらどうしたらよいのでしょうか
   
     ライフスタイルの改善が重要です

      
食生活では
   野菜、食物繊維を十分とるようにしましょう。
   早食い、炭水化物や糖質に偏った食事は食後血糖値を上昇させます。
   夜遅く食べるのもよくありません。
 
運動をしましょう
   特別な激しい運動をする必要はありません。
   20-30分のウォーキング、ラジオ体操、水泳などが勧められています。
   それも難しい場合、エレベーターを使わず階段を利用する、外出時はなるべく
   車を使わない、バスや電車を一駅手前で降りて歩くなど心がけるもいいですね。


ウエスト周りを測定しましょう
  男性85cm以上、女性90cm以上は内臓脂肪が蓄積している可能性が高くなり、
  いわゆるメタボリック症候群の危険があります。
  体重のコントロールをしましょう。